何故楽しい会が始まったか

“管楽合奏は楽しい会?”は、ファゴット奏者で当アンサンブル企画と指揮をしている森川 一氏の素朴な疑問から始まりました。

「俺達は最近、音楽や演奏を楽しんでいるのかなぁ」と氏が思った事が、そもそものきっかけだったのです。確かに楽器を始めた時は音を出すだけで楽しかった筈なのに、合奏を純粋に楽しんでいたのではないか、と。それがプロの活動をしていると音を出す意味はどんどん違ってきてしまった感があったそうです。それはそれで別の楽しみも喜びもあるそうですが、何か引っかかるものは消えなかったとの事。下手でも良いとは、もちろん考えていない訳ですが。

そうした思いが高じ、あの新鮮な感覚を何とか取り戻したい、重箱の隅の塗りむらや、その下塗りまで気にしなくても音楽は出来るし、大らかで豊かな音楽を目指せば、いい加減なものにもならない筈だ、と考えたのがこの活動の始まりです。管楽合奏は楽しい会?は「音楽って、管楽合奏って、本当に楽しいのかい?」と自分に問かけているのです。

楽しい会の発足

同様に考える仲間を集め、発足したのが「管楽合奏は楽しい会?」でした。つまり当初はプロの合奏団の名前として出発したのです。初めは、オーボエを欠く管楽六重奏でモーツァルトのセレナード第11番(原典版)をプログラムの中心に据え、第1回演奏会を1991年の8月20日に日暮里サニーホールのコンサートサロンで開催しました。第2回にフルートが加わり、第3回から管楽八重奏+フルートで現在に到っています。97年から東京でアマチュアの演奏家と年に一度、大編成の合奏をする事になったので、プロのメンバーによる団体は名称を「フルスヴァルト合奏団」と変更しました。色々な要求に応えられる様に新名称は「管楽」の冠を付けませんでしたが、基本は管楽に違いありません。

そして管楽合奏は楽しい会?」は演奏会の名称として残す事になりました。

活動を開始しても、もちろんすぐに良い演奏になる訳ではありませんが、お互いに対等な演奏家として音楽の話が出来る仲間が集まり、当初の目的は達成されつつあります。そして、こうした事が充分に出来る事こそ、氏の望みだったのです。

「管楽合奏は楽しい会?」の運営と維持

現在は基本的に、年に3回の演奏会をフルスヴァルト合奏団員+アマチュア演奏家で編成を変えたり、パートを変えたりしながら活動しています。プロとアマの差は、同じ曲を何度もしているかどうかと言うだけで違います。このアンサンブルでは名曲を何度も取り上げますが、やる度に楽譜が違って見えるような練習をする事を目指しています。

アンサンブルの維持に付いてですが、アマチュアの演奏家にはある程度の負担(チケットなど)をお願いし、プロの奏者からは技術的音楽上のアドヴァイスと一緒に演奏する事での良い影響を期待しています。お互いに、やって良かったと思われるバランスを取りながら運営しております。

やりたい時、出来る時に参加出来ますが常に「より良いステージ」に、自らを置く気概が無いといけないと思います。参加する事で後悔する事は無いと確信しております。


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